死せるグローバルスタンダード

かつて、アメリカはグローバルスタンダードを掲げ
オバマ前大統領まではTPP、TTIPをはじめとする
インターナショナリズムを世界に拡散すべく努めてきたが
トランプ大統領は、アメリカファーストを掲げ
これに真っ向から反対するナショナリズムに邁進している。
かつて植民地主義奴隷制と、それに伴う人種差別を生み出したキャピタリズムだが
これに抗してKマルクスの生み出したコミュニズム
旧ソ連東ドイツルーマニアなどにみる通り、失敗事例が続いた。
コミュニズムを掲げた大国・中国も、政治的共産主義は維持しつつも
経済は鄧小平主席が早々と白旗を揚げ、市場経済に転向。
頑なに共産独裁主義を貫く北朝鮮は、インフラを後回しの核開発優先で人民は飢餓状態。
キャピタリズムは弱肉強食だが、コミュニズムの計画経済は失敗が多い。

弱肉強食は食物連鎖の摂理で、自然界のバランスを維持する上ではやむなし。

だから、同種族が群れをなして共助し、防衛するわけだが
中には共食いをする種族もある。
残酷には見えるが、それで調和と秩序は維持され、自然環境も守られる。
民族、国家も同様で、ナショナリズムインターナショナリズム
背反する思想だが、グローバルスタンダードを掲げて
グローバリゼーションを進めたアメリカの真意とは何だったか。
それは国際社会の壁(関税障壁)を取り払って、世界各国の市場開放を進め
それをアメリカ産業の植民地とすることにあった。
その象徴的事例が、かつてインドネシア、韓国などで発生した
アジア通貨危機といえよう。その手口は以下の通り。
ヘッジファンド、金融界、投資家によるアジア通貨買い→
アジア通貨高騰→国内産業の危機→IMFの救済→内政干渉による市場開放
            ◇
八紘一宇を建国の理念としてきた日本は
早々とグローバル化に飛びついてしまったが
結果は格差拡大の不平等を生み出しただけで
これは世界的にも共通の潮流となった。
提唱者のアメリカでさえ、リーマンショック世界恐慌をもたらし
国内は格差拡大に陥り、失業率、貧困率が高まり
国富を独占する金融界への怒りから、ウォール街で暴動やデモが起こるなど
グローバリズムというインターナショナリズムは大失敗に終わった。
その反動でナショナリズムが興隆し、フィリピンのドゥテルテ大統領
アメリカファーストを掲げるトランプ大統領のような
典型的なナショナリストが台頭したのです。
インターナショナリズムは、格差が解消した平等社会のイメージがあるが
それは、各国が他国に寄生・依存せずに自立していることが前提で
確固たるナショナリズムが確立された、成熟した国家の集合体による
成熟した国際社会が出来上がってこそ、成立するものだと思う。