中朝経済の構造的問題

大前研一氏指摘 韓国がいつまでも「先進国」になれぬ理由

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中朝の企業経済に共通する欠点は、目先の利益にしか興味がないことだ。
時間をかけて品質と信用と実績を築こうという長期展望よりも
今すぐ収益を得たがる短絡さに問題があるだろう。
このために、イノベーションに時間をかけるよりは
手っ取り早くパクって作り、労働搾取で低賃金・低コストで量産。
低品質を低価格で補いつつ競争力を確保する発想しかない。
しかもコストを抑えるために、手抜きや部品、材質の誤魔化しも平気で
問題が起きればドロ~ンと、無責任な利己主義の夜逃げベンチャー感覚。
だから、日本と違って老舗が育たない。
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中国の経済成長は、世界中のメーカーが
人件費の低さに期待して生産拠点を移すなど
外資による投資が集中したことが原因だ。
しかも、かつてはW・バフェットや
G・ソロスといった高名な投資家も参入していた。
とかく支那人は日本を抜いたと喜ぶが、自力で発展したものではない。
しかし、目先の利益にしか関心がないので、煤煙も汚水も垂れ流し。
環境保護のために投資する気などは、毛頭無いので
環境技術の開発にも着手する気がない。
本来は政府が対策に乗り出すべきだが、鄧小平時代に共産経済を放棄して
自由放任主義市場経済へ移行したので、我関せずである。
その結果、大気はPM2.5が充満、長江の河川水は鮮やかなる極彩色。
そんな汚濁の中で大量に病死した川魚までも
こっそり市場に持ち込む非常識がまかり通っている。
地溝油、人毛醤油も驚きだが、その程度で驚いていられないほど
中国経済は無責任な利益第一主義の無政府状態にある。
後に、二人の高名な投資家が引き上げたのも理解できる。
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韓国経済は、基盤技術もなくして
ハイテク産業に飛びついたことに、悲劇の要因がある。
サムスンのテレビやスマートフォンなどは
イノベーションに努力した跡が認められるが
肝心の基盤技術のほとんどは、日本とドイツに依存しているのであるから
自国メーカーは組み立て加工しかできないのが実態。
しかも品質、技術力は日独に敵わず、価格競争では中国に敵わずと
板挟みで虻蜂取らずの状態から抜け出す術がない。
反日志向から、とかく日本製品の不買を叫ぶが
部品もフレームも自力で製造できないのに
日独が輸出を止めたら、どうなるのか。
韓国製品が製造できずに市場から消滅すれば
競争相手が減るので、日独にはむしろ好都合でしかない。
韓国経済の再建は、まさに画期的な技術革新しか道はない。
しかし、遺伝子に異常が認められる民族性では
ハードルは相当に高いだろう。