キチガイに刃物

カンニング竹山「炎上を逆手に取れば、言論を操れる怖さ」

headlines.yahoo.co.jp

あるFBIのOB捜査官が話していた。
「我々は民間人の自警団に権限は与えません。
 なぜならば、民間人の彼らは、訓練を受けた我々と違い
 抑制が利かなくなるからです」
これは1971年にスタンフォード大で行われた監獄実験でも実証されている。
学生を看守役と囚人役に分けたロールプレイングでの共同生活実験で
看守役はやがて傲慢となり、囚人役への虐待が見られるようになった。
逆に囚人役は卑屈になり、虐待にも必死に耐えるようになった。
かくして、本来のパーソナリティが役割に基づいて変貌し
崩壊の危機に陥ったことから、実験は急遽中断されたが
それでも架空の権限に麻痺していた看守役の学生らは
実験後もその役回りを続けさせろと、要求したという。
置かれた状況が、パーソナリティに与える影響を如実に物語っている。
            ◇
これはペンを本来の職業ツールとしない、一般のネット発信者も同様だろう。
「ペンは剣より強し」、「無冠の帝王」、「第三の権力」などと言われるように
ペンは人を生かすことも殺すこともできる、デリケートなツールである。
まだ不慣れな駆け出しの頃、加減も限度も考えずに筆誅記事を書いた結果
1人の官員と1人の政治家の死期を早め
さらに、1人の政治家の政治生命を絶ってしまったという痛恨の経験がある。
いち早くネットが発達した韓国では、ネット上の批判が原因で
5人もの若き男女タレントが首を吊ってしまった。
かつて、タレントのスマイリー菊池は
綾瀬女子高生コンクリート事件の犯人の一人と誤認され
ネットで告発され続けた結果、出演依頼もCMも激減する苦境に追い込まれた。
相談を受けた四課(当時)刑事らにより
数人の書き込み者が逮捕されて事件は解決した。
こうした危険なツールを、加減も分からず、セルフコントロールもできない大衆が
ネットによって手にした結果が「炎上」だろう。
記事は、10代による炎上では、抑制する者が一人もいなかったと述懐しているが
判断力も自己抑制力も未熟な世代であり
それはまさにFBI元捜査官の発言を裏付けているとも言える。
            ◇
しかし、今後もネットを通じたトラブル工作や
逆に沈静工作などは続くだろう。
たとえば中国の五毛(10円)党は、政府に不満を持つ人民の炎上沈静工作が主目的で
要員が全国に2000万人もいるという。10円×2000万人=2億円の工作予算である。
韓国では、李明博元大統領のプロパガンダ機関としてVANKがあり
朝鮮学校高等部では、ホロン部という工作集団がいる。
VANKYouTubeのKポップ動画再生数の水増し工作がバレて
YouTubeからもGoogleからも、国家ごとアクセス禁止となった。
これらに対し、アメリカはAIを利用して工作しているという。
AIが通常のネット民に成りすますシステムで
中国の人海戦術に対し、機械による効率的な対抗手段とも言われる。
トランプ当選の影にプーチンありと疑われ、FBIが捜査に乗り出しているが
ネットは大統領選をも左右するほどの重大ツールであることを
利用者は深く自覚しておくことが求められるだろう。