トランプナショナリズムを嫌う偽善

米州議「トランプ氏の暗殺願う」と投稿、大統領警護隊が捜査

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ともかく各界から嫌われるトランプ氏だが
米大統領という覇権国のトップだけに、嫌われ方も世界レベルである。
支持率は38%代だが、何をそんなに人々は嫌うのだろうか。
主要因は、移民排除のナショナリズムにあるものと思うが
何が問題なのか。
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米経済は、長らく軍事費負担の財政圧迫と貿易赤字により
双子の赤字」に苦しんできた。
冷戦時代には、特にインフラにまで手が回らず
落橋や崩壊道路が放置され「荒廃したアメリカ」と言われた時代もある。
リーマンショック時には、失業率と貧困立は急上昇し
国富の90%を独占するロックフェラーをはじめ金融界に
国民の怒りが爆発し、ウォールストリートで暴動寸前のデモが発生するなど
ウォールパニックも起こった。
あるスポーツジムでは、トレーニングをしていた大手銀行の頭取が
他の利用客に殴られるという事件も起こった。
こうした国情を、不動産王の目線でインフラ投資や
自国産業保護によって立て直すとともに
国内の雇用も生みだそうというトランプ氏のニューディール政策
アベノミクスと同様に極めて正統な政策であり、景気対策の王道でもある。
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その雇用を、低賃金で横奪しようと群がる移民や不法入国者から
自国民の職場を守ろうとする政策の何が問題なのか。
移民を受け入れるのは、自国民の暮らしに余裕があり
文化が破壊されたり、治安が脅かされる懸念もなく
自国経済が受け入れられる水準にあってこそである。
日本国は、移民に冷たいと批判されるが
一方で、ネットでは
「なぜ日本だけはイスラムテロが起きないのか」と訝しがる。
その問いに、ある米国人が回答していた。
「日本は移民を簡単に受け入れないから、治安も文化も守られている」
これに同調する意見も多く「日本の移民政策は正しい」
「米政府も見習って欲しい」との書き込みも見られた。
だからこそ、日本は新旧の文化・伝統が両立し、犯罪発生率は低く
夜でも一人歩きができ、女性の一人旅にも不安がないほど治安度も高く
街は汚れず、他人同士も礼儀正しく尊重し合い
落とし物が高確率で手元に戻る信用度の高さが維持されている。
そして、この評価が外国人旅行者の激増につながっている。
移民を受け入れないことは、ナショナリズムを失わないことでもある。
トランプ氏の提唱するアメリカファーストのナショナリズムが目指すのも
こうした国体ではないか。
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以前にも書いたが、グローバリズムインターナショナリズム
確固たるナショナリズムを確立した国家が集まってこそ成立する。
それが未熟な国家の集まりは、支配・隷属の主従関係が生じたり
不足分を他国から調達しようと侵略や紛争が起こるばかりで
民主的でも何でもなく、サバンナやジャングルの野生動物の世界である。
これは国家だけではなく、国家を構成する都道府県や州
それを構成する市町村、それを構成する町内会
それを構成する各家族、それを構成する個人までが
独立して依存しない資質を持つことが必要だ。
にも関わらず、自国の体制が不安定でありながらも
インターナショナリズムこそはデモクラシーと礼賛し
ナショナリズムを批判・否定するのは
まさに偽善であり、詭弁としか言えまい。