機能が異なる普通の人々

SNSで拡散された「盲導犬を蹴る動画」について盲導犬関連団体が声明

「該当者と面談し厳重に対処する」

nlab.itmedia.co.jp


到底、擁護する気にはならない事件だが
我々健常者としても、障害者に対する幻想や妄想を捨てるべきだろう。
かつて、小児麻痺の主人公を描いたTVドラマを観た。
身体機能の問題から、健常者とは姿も動作も異なるが
精神障害ではないから、思考は健常者と変わらない。
健常者と同様に恋に悩み、プロポーズし、有頂天になり
そして失恋のショックで、不自由な身体ながらも自暴自棄の大暴れをする
煩悩を持った一人の人間としての行動が生々しく描かれていた。
役者は故意に顔を歪めながらの力演で、障害者を演じ切っていた。
ともすれば、逆境に負けずに健気に生きる清き聖人の
感動的な人生ドラマとして描写されるシナリオが多いが
彼らは健常者とは身体機能が異なるだけであって
虚栄心や欲情も持ちながら生きる我々と同じ
生身の人間であるという現実を直視すべきだろう。
障害の内容や度合いにもよるが、精神の障害でない限りは
健常者と同じ思考をし、感情もあるのだから
特別視したり、特別扱いするのでなく
機能が異なる人々がそこにいるだけであると見なす。
それがノーマライゼーションの第一歩ではないだろうか。