みんなで貧乏を目指した「失われた30年」で失われた平衡感覚

「日本は本当に貧乏」クラウドワークス副社長のツイートが話題に コーヒー200円台は「東南アジア的になってる」

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根の深い問題なので、少し言及しよう。
バブル期に浮かれていた、慎みの無かった連中は
バブル崩壊で、みな惨憺たる憂き目を見ることとなった。
山一証券が潰れ、都銀たる北海道銀や日本長銀が潰れ
住専不良債権処理が長引き、その他の企業も倒産しまくり
勤労者の所得も減少の一途。
いきおい庶民は消費を手控え、家計防衛の守りに入る。
その結果、サービス業も小売業も旅館業も飲食業も
企業防衛のために不当ダンピングの価格破壊で
少しでも顧客を囲い込み、消費を促すしかなかった。
             ◇
ところが、バブル期に贅沢の味を知ってしまった庶民の目は
肥えているため、手抜きサービスへの視線は厳しく
企業は「安かろう悪かろう」が許されない。
このため、全ての産業はコストに見合った価格設定ができず
採算性を度外視した経済原則に背反する不合理な事業展開を余儀なくされた。
これが非生産的なデフレスパイラルの原因となった。
デフレスパイラルは、縮小再生産のらせんであるから
破壊的な構造だが、企業も庶民もその感覚が麻痺し
それを当然と錯覚するに至った。
まさに、企業も庶民も手を取り合って
みんなで仲良く「貧乏」を目指していたのだから
経済が成長を望めない不合理な構造となって当り前だ。
             ◇
毎度主張することだが、大切なことは
企業がアベノミクスの構造と効果を直視し
回復基調に向かっている現状を正当に評価して
保身に逃げ込む臆病心を捨てることだろう。
デフレ時の不当廉売競争の悪夢ばかりに囚われて警戒し
タンス預金ばかりをしている限りは、真の経済成長は望めない。
経済成長とは、拡大再生産のことである。
商品でもサービスでも労役でも、コストに相応しい価格設定でこそ
経済構造のバランスが高値安定することになる。
コストがかかりながらも、不当廉売の大量消費では
資源の枯渇と自然環境の破壊しか招かない。
これこそは、まさにユダヤ陰謀論に言われる「人口削減計画」に
格好の口実を与えるものである。