ダメ企業の原因は、ダメ社員でなくダメ社長にあり

社員が辞める・採れない・育たない「ダメ中小企業」の共通ポイント

biz-journal.jp

悲しいかな、自分の職場も人材の定着率は異様に低かった。
経営者は即戦力を宛てにして、独断で中途採用ばかりを繰り返した。
「こいつを採用したから、後は宜しく~」と、突然に履歴書をつきつけてくる。
見れば、どれも異業種の者で、未経験者ばかりだから
中途採用とはいえ素人の新人も同然だ。
中には、自分よりも年長の新人や主婦もいた。
もっと酷いケースでは、身分を隠した共産党員や
統一協会員まで紛れ込んでいたのである。
それでも、自分の仕事を抱えながらも、仕事先へ新人を連れ歩き
職場にあっては、様々なマナーや業界の慣例、職務上の技法などを伝授。
その間には、独善的な経営者に反発する者や口論に発展するケースもあり
板挟みとなって、仲裁に手を焼かされることも多かった。
また、職務に自信をなくして落胆している新人を
自腹で接待し励ましたりもした。
中にはクビになった者もいたが、解雇の通告はなぜか経営者でなく
「お前から伝えてくれ」(雇ったのは、お前じゃねーか!)
そうして、ようやく独り立ちできるまでになった暁には
「以後は自力でやれ」と尻を叩き、手を離す。
けれども、その頃には実力と自信がついたのか、なぜかみな転職してしまった。
つまり、こちらが教えたノウハウと
この職務のお陰でできた人脈を、他社で生かすことになるわけだ。
これでは、まるで他社の人材を育成するための研修係官で
育成の労力と時間が無駄となり、それまでの日々が虚しくなる。
しかし、そんなことも考えない浅慮の経営者は
ノーテンキに送別会を開いて送り出す。
そして、数日後にはまたも無責任に「こいつを採用したので…」
いつか、どやしつけてやろう。
「オレは学校の教師じゃねーぞ!」